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ラピュタ阿佐ヶ谷で渡辺護特集「ゆきてかえらぬ 渡辺護 官能の映画旅」(7月23日(土)~11月14日(月))

ラピュタ阿佐ヶ谷で渡辺護特集「ゆきてかえらぬ 渡辺護 官能の映画旅」があります。

2016年7月23日(土)~11月14日(月) 連日21:00より
※9月12日(月)はメンテナンスのため休館。
ラピュタ阿佐ヶ谷:http://www.laputa-jp.com/laputa/program/watanabemamoru/

「ピンクの巨匠」「活動屋」──渡辺護は古き良き時代の映画人というイメージで語られることが多かった。けれども、私たちは本当の彼をまだよく知らない。たとえば、ピンク映画のことを一度カッコに入れて見てみるとどうなるか。渡辺は1931年生まれ。ゴダールやトリュフォーたちヌーヴェルヴァーグと同世代なのだ。それに、デビュー作『あばずれ』を『少女縄化粧』、『変態SEX 私とろける』と二度リメイクしていることが分かったのもつい最近だし、三本をまとめて見ることができるのは今回の特集が初めてなのだ。渡辺護自伝的ドキュメンタリーの中で彼はサービス精神たっぷりに喋りまくるが、饒舌の中に時折、幸せなときは過ぎ去った……という悲哀がのぞく。この悲哀と監督作にはどのような関係があるのか。渡辺護はこれから発見される監督、未知の可能性を持った監督である。

渡辺護(わたなべまもる)。1931年東京生まれ。早大文学部入学後、八田元夫演出研究所に入る。その後、TVドラマの俳優、脚本家、助監督などの経験を経て、1965年、『あばずれ』で監督デビュー。ピンク映画界で活躍。東てる美、美保純、可愛かずみのデビュー作を撮り、世に送り出した。現在、確認できる監督作は210本だが、それ以上撮ったと言われている。2013年、新作準備中にがんに倒れ、亡くなる。

7.23(土)~25(月)
あばずれ
1965年(S40)/扇映画/白黒/60分 ※16mm短縮版
■脚本:吉田貴彰(吉田義昭)/撮影:生田洋(竹野治夫)
■出演:飛鳥公子、左京未知子、黒木純一郎、千田啓介
父を死に追いやり、すべてを奪ったあの女が憎い!17才の立子は義母の文枝と愛人の早田に復讐する。少年の頃に見て感激した衣笠貞之助『雪之丞変化』のような映画を撮りたいという思いに溢れた監督デビュー作。「今見たら下手くそだと思うんだよね、演出が。でも、一カットずつ真剣にこだわって撮っている」。フィルムは現存しないと思われたが、二年前に神戸映画資料館が16mmプリントを発見。東日本初上映!

7.26(火)~8.1(月)
紅壺(復元版)
1965年(S40)/扇映画/白黒/78分 ※Blu-ray
■脚本:吉田貴彰(吉田義昭)/撮影:大森一郎(門口友也)
■出演:真山ひとみ、原あけみ、黒木純一郎、千田啓介
上京したヒロコは言い寄る男たちを利用してトップモデルを目指す。渡辺は主演の真山ひとみに一目惚れ。映画を撮る歓びに恋する歓びが加わった初々しい作品。「監督としちゃあさ、二本目でね、なんか生き生きとしていたんだよ。本当にバカだねえ」。だが、雑踏の中を行く主演女優をとらえたカメラはまさにヌーヴェルヴァーグ!発見された脚本をもとに正しい順番にいくつかのシーンを並べ替えた復元版を上映。
★「渡辺護が語る自作解説 新人女優を撮る」併映 ※DVD

8.2(火)~8(月)
女子大生の抵抗
1966年(S41)/扇映画/白黒/70分 ※16mm
■脚本:奈加圭司(石森史郎)/撮影:船橋登(遠藤精一)
■出演:谷口朱里、野上正義、可能かづ子、林美樹
『肉体の悪魔』の翻案。鎌倉を舞台に人妻と青年の悲恋が描かれる。公開当時、大和屋竺が「渡辺さん、やりましたね」と絶賛し、評論家の村井実が「これだけベッドシーンを撮れる監督はいない」と評価したが、今回の上映では、50年代から数多く作られた文芸メロドラマのピンク映画への転用の成功例として見直してみたい作品。「女子大生の抵抗?何でこんなタイトルになったんだ?そんな話じゃないだろ」
★「渡辺護が語るピンク映画史(補足)すべて消えゆくピンク映画1964-1968」併映 ※DVD

8.9(火)~15(月)
渡辺護自伝的ドキュメンタリー 第一部「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」前篇
2012年(H24)/60分/カラー ※DVD
■監督:井川耕一郎/撮影:松本岳大/録音:光地拓郎/製作・編集:北岡稔美
■出演:渡辺護
渡辺護自伝的ドキュメンタリー(全十部)の第一部の前篇で渡辺が主に語るのは少年時代。生まれ育った王子の町の人々、学校をさぼって見た映画、空襲、そして敗戦。饒舌な渡辺がふいに黙ってしまうのは、若くして亡くなった憧れの兄・優について語った直後。「生きてたらすごいと思うよ、うちの兄貴はきっと……」。映画や演劇を愛した兄の思いを受け継ぐように、渡辺は映画の世界へと向かっていくことになる。

8.16(火)~22(月)
渡辺護自伝的ドキュメンタリー 第一部「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」後篇
2012年(H24)/62分/カラー ※DVD
第一部の後篇で渡辺が語るのは監督としてデビューするまで。演劇青年からTVドラマの俳優へ。そして教育映画の助監督になり、ピンク映画の世界へ。デビュー作『あばずれ』について詳しく語る渡辺。だが、彼の語る『あばずれ』は死後に発見された『あばずれ』と異なる部分がある。おれならこう撮ると考える監督らしい癖が記憶を変形させたのか。死ぬまで現役であり続けようとした執念が静かに燃えている。

8.23(火)~25(木)
おんな地獄唄 尺八弁天
1970年(S45)/わたなべぷろ/パートカラー/76分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■脚本:日野洸(大和屋竺)/撮影:池田清二
■出演:香取環、国分二郎、青山リマ、武藤周作
女渡世人・弁天の加代の活躍を描いた『男ごろし 極悪弁天』の続篇にして渡辺の代表作。弁天と吉祥天の二つの刺青が互いを引き寄せ、加代とセイガクは運命的な恋に落ちる。渡辺は大和屋竺の脚本に惚れこみ、予算オーバー覚悟で撮影。「ラストカットを撮っていて涙が出てきた。おれはもう一度撮った。『尺八弁天』を撮り終えたくなかったんだよ」。モノクロの暗部やパートカラーの発色が美しい35mmプリントを上映。
★「渡辺護が語る自作解説 弁天の加代を撮る」併映 ※DVD

8.26(金)~9.1(木)
㊙湯の街 夜のひとで
1970年(S45)/わたなべぷろ/パートカラー/73分 ※16mm
■脚本:日野洸(大和屋竺)/撮影:池田清二
■出演:大月麗子、吉田純、二階堂浩、港雄一
渡辺護の代表作。温泉街に流れ着いたエロ事師の久生、雀、トリ金の三人。監督の久生はブルーフィルムの傑作を撮ろうとするが……。「ピンク映画でブルーフィルムをつくる話と称して無声映画の時代劇を撮りたかった」。愛する久生と離れ離れになった女優の雀が心身ともにぼろぼろになって早朝の河原にひっそりたたずむラストが切なくも美しい。「ドラマってのは“別れ”だ。別れがあって、時が過ぎていく……」
★「渡辺護が語る自作解説 エロ事師を撮る」併映 ※DVD

9.2(金)~4(日)
日本セックス縦断 東日本篇
1971年(S46)/東京興映/カラー/68分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■脚本:太田康(下田空、小栗康平)/撮影:古川丈夫
■出演:今泉洋、冬木京三、高見由紀、小城かほり
連続暴行殺人犯・大久保清を描いた実録犯罪もの。逮捕の翌月に群馬でクランクイン。連日報道される新たな情報を脚本に書き加えながら撮影は進められた。映画は大ヒット。『週刊読売』7月30日号に「“大久保の実演”をピンク映画にしたスゴイやつら」という記事が載った。「映画はどう撮ったってつながるんだと。このあと、おれの演出、変わったね」。犯行直後、大久保清がぼんやり煙草を吸う空虚な間が不気味。
★「渡辺護が語る自作解説 事件ものを撮る」併映 ※DVD

9.5(月)~11(日)
渡辺護自伝的ドキュメンタリー 第二部「つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史」前篇
2012年(H24)/65分/カラー ※DVD
■監督:井川耕一郎/撮影:松本岳大/録音:光地拓郎/製作・編集:北岡稔美
■出演:渡辺護
渡辺護自伝的ドキュメンタリーの第二部は、撮って飲んで喧嘩してをくりかえすピンク映画のつわものどもの群像喜劇。前篇に登場するのは若松孝二、沖島勲、向井寛、山本晋也、小森白。渡辺は新人監督時代にデビュー作『あばずれ』を超えられないという秘かな悩みがあったことを告白。悪戦苦闘する中、主観カット/客観カット理論が生まれる。「おれは面白い映画が撮れる!っていう自信みたいなものが出てきた」

9.13(火)~19(月)
渡辺護自伝的ドキュメンタリー 第二部「つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史」後篇
2012年(H24)/73分/カラー ※DVD
第二部の後篇に登場するのは、荒井晴彦、高橋伴明、小水一男、滝田洋二郎。『�湯の街 夜のひとで』を撮っていた頃に感じていたことを渡辺が語る。「おれの中にいつか監督ができなくなる……みたいな思いがあった」。活気のある撮影現場を醒めた目で見つめる売れっ子監督。そして80年代半ば、おれの時代は去ったと感じる。それでも、渡辺は言う。「おれの人生の中で一番大きいのはピンク映画時代ですよ」

9.20(火)~26(月)
谷ナオミ 縛る!
1977年(S52)/新東宝/カラー/60分
■脚本:高橋伴明/撮影:柳田友春
■出演:谷ナオミ、下元史朗、鶴岡八郎
奈美子は、生きた女の顔を求めて女中たちを縛る能面師の夫・敬一郎のあり方に耐えていた。だが、義弟の良介が自分に思いを寄せるあまり、納得の行く能面が打てず苦悩しているのを知り……。谷ナオミで拷問ものをという注文を渡辺は拒否。「変態映画は嫌だった。権力とかに縛られる女って解釈で、縄はベッドシーンの小道具として考えようと」。この作品のヒットで渡辺は緊縛ものを量産するようになる。
★「渡辺護が語る自作解説 緊縛ものを撮る(一)」併映 ※DVD

9.27(火)~29(木)
少女縄化粧
1979年(S54)/新東宝/カラー/62分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■脚本:高橋伴明、渡辺護/撮影:鈴木史郎
■出演:日野繭子、岡尚美、下元史朗、野上正義
『あばずれ』の緊縛時代劇版リメイク。篠は父を死に追いやった義母への復讐を誓って巡礼の旅に出る。渡辺の狙いはさすらう少女を撮ることにあったが、彼以上に撮影の鈴木史郎が凝った画を撮ろうとしたため、製作費は大幅に超過。だが、冥界にまで下りて亡父に会うような美しいシーンが生まれた。「赤字出してひどい目にあったけど、ああ、こうやって撮ってよかったと思う」。ズームアップ映画祭第一回作品賞。
★「渡辺護が語る自作解説 緊縛ものを撮る(二)」併映 ※DVD

9.30(金)~10.6(木)
婦女暴行事件 不起訴
1979年(S54)/国映/カラー/61分
■脚本:小水一男/撮影:久我剛
■出演:日野繭子、青野梨麻、港まゆみ、大杉漣
ドキュメントタッチの隠れた傑作。横須賀の荒涼とした風景の中、暇を持て余した三人組の若者が次々と女たちを誘い、輪姦に持ち込んでいく。「雨にたたられてね、大変な撮影だった。でも、役者もスタッフものりにのって撮ったんだよ」。事後の被害者女性のあり方を丁寧に描き分ける演出に注目。女優一人一人に印象に残る見せ場を作っている。刑事役で渡辺も出演。併映は浅草ロケの不良少女もので日野繭子主演。
★「非行女子学生 濡れはじめ(8mm短縮版)」併映 ※DVD

10.7(金)~14(金)
変態SEX 私とろける
1980年(S55)/現代映像企画/カラー/66分 ※NEW
■脚本:渡辺護、吉田義昭/撮影:久我剛
■出演:夏麗子、杉佳代子、佐野和宏、津崎公平
『あばずれ』の脚本を一部カットしたリメイク作品。8月20日の大阪日日新聞に撮影現場ルポが載った。渡辺は「ことしはこれが9本目」。撮影時間の限られたミナミのラブホテルでリハーサルを入念にくりかえしたあと、撮影。「安かろう悪かろうにはしたくない。ぼくにも監督としての意地がある。低予算の不自由な条件のなかで、やればやれることをみせるつもり」。今回の特集のためにニュープリントを上映。

10.15(土)~21(金)
産婦人科 人妻異常体験
1984年(S59)/国映/カラー/61分 ※16mm
■脚本:渡辺護/撮影:志村敏雄
■出演:織本かおる、田口和正、山本あゆみ、宇治絵美
兼人は精子減少症で子どもができないのをいいことに雅代と浮気。雅代の彼氏が描いた春画を買った兼人は驚く。この絵のモデルは妻の信子?荒井晴彦脚本の『女の診察 舌と唇』(80)のリメイク。「撮ったことを忘れていた作品だったけど、観直したら、あれくらいきっちり演出出来てるのは無いっていうくらいの出来だったよな」。『色道四十八手 たからぶね』のヒントとなったスワッピングコメディ。

10.22(土)~28(金)
片目だけの恋
2004年(H16)/ユーロスペース/カラー/88分 ※DVCAM
■脚本:井川耕一郎/撮影:鈴木史郎
■出演:小田切理紗、田谷淳、里見瑤子、下元史朗
17才のユカには9才の頃から心に秘めた人がいた。従姉妹の理恵子の夫・井上。井上たちが近所に引っ越してきたのをきっかけにユカの思いは止められなくなってくる。「“少女”はおれにとって昔から大切なテーマでね、おっかないくらい一途な少女の恋を描きたかったんだ。だけど、主人公にふさわしい子がなかなか見つからなかった」。小田切理紗に出会った渡辺はのめりこむように演出。少女ものの最後の作品。

10.29(土)~11.4(金)
喪服の未亡人 ほしいの…
2008年(H20)/国映、新東宝/カラー/61分
■脚本:井川耕一郎/撮影:清水正二
■出演:淡島小鞠、岡田智宏、倖田李梨、結城リナ
渡辺護の遺作。遺品整理をしていたいずみは夫の不倫を疑う。「殺してやる!もう死んでるけれど」。死者に復讐しようとする女の悲喜劇。「おれはこれからのピンクはこれでどうだ!って気持ちで撮った。ピンク映画の新しい基準をつくるつもりで撮ったわけです」。併映は渡辺護版『夜の蝶』。谷ナオミ、東てる美ダブル主演で、夜の新宿に生きる女たちの争いを描いたもの。鏡を使った凝った画作りが興味深い。
★「花の女王蜂性競乱(8mm短縮版)」併映 ※DVD

11.5(土)~11(金)
色道四十八手 たからぶね
2014年(H26)/PGぴんくりんく/カラー/71分
■企画・原案:渡辺護/監督・脚本:井川耕一郎/撮影:清水正二
■出演:愛田奈々、岡田智宏、なかみつせいじ、佐々木麻由子
新婚の一夫は妻の千春が数年前から叔父の健次と不倫していたことを知り、ショックを受ける。「復讐しよう!」と訴える叔母の敏子。でも、一体どうやって?春画や四十八手という日本的な題材を使ったスワッピングコメディ。渡辺は「絶対に面白い映画にする!」を宣言して準備に入ったが、がんで亡くなる。脚本の井川が代わって監督。ニッポン・コネクション2015ニッポン・ヴィジョンズ審査員特別賞。

11.12(土)~14(月)
紅蓮華
1993年(H5)/三協映画/カラー/119分 ○東京国立近代美術館フィルムセンター所蔵作品
■脚本:沖島勲、佐伯俊道/撮影:鈴木史郎
■出演:役所広司、秋吉久美子、武田久美子
戦後、未亡人のさくらは自分の意思で生きることを決意、建造を再婚相手に選ぶ。だが、建造には別れを拒む恋人がいて……。ある女社長の自伝の映画化だが、実質的な主役は太宰治のように破滅に向かっていく夫・建造。渡辺は建造役に周囲の反対を押し切ってTVドラマで活躍していた役所広司を起用。役所は渡辺の期待に見事に応えた。「おれ、泣けてきたもんね。いい芝居するんだよ」。渡辺護の代表作の一つ。

【料金】
一般…1,200円 シニア・学生…1,000円 会員…800円 
※水曜サービスデー…1,000円均一

フィルムセンター「特集・逝ける映画人を偲んで 2013-2014」で『おんな地獄唄 尺八弁天』(70)、『日本セックス縦断 東日本篇』(71)を上映(7月21日18:30~、9月6日16:00~)

東京国立近代美術館フィルムセンターの「特集・逝ける映画人を偲んで 2013-2014」で、渡辺護の代表作『おんな地獄唄 尺八弁天』(70)、大久保清の事件を描いて大ヒットした『日本セックス縦断 東日本篇』(71)が上映されます。
 7月21日(火)18:30~
 9月6日(日)16:00~
東京国立近代美術館フィルムセンター

『おんな地獄唄 尺八弁天』(70年・76分・パートカラー)
監督:渡辺護、脚本:日野洸(大和屋竺)、撮影:池田清二
出演:出演:香取環、国分二郎、青山リマ、武藤周作、吉田純、野上正義
インタビュー「『おんな地獄唄 尺八弁天』を撮り終えたくなかった」(1995年)
『おんな地獄唄 尺八弁天』について(万田邦敏)
『男ごろし 極悪弁天』から『おんな地獄唄 尺八弁天』へ(井川耕一郎)

『日本セックス縦断 東日本篇』(71年・68分・カラー)
監督:渡辺護、脚本:太田康(下田空、小栗康平)、撮影:古川丈夫
出演:今泉洋、高見由紀、小城かほり、磯香亜矢、桑山安里、天野照子、千草志保
渡辺護、『日本セックス縦断 東日本篇』を語る

『色道四十八手 たからぶね』(名古屋シネマテーク・3月7日~13日・連日20:35~)+渡辺護監督作品&渡辺護自伝的ドキュメンタリー(シアターカフェ(名古屋)・3月21日~27日)

名古屋シネマテークでピンク映画50周年記念作品『色道四十八手 たからぶね』(企画・原案:渡辺護、主演:愛田奈々、監督・脚本:井川耕一郎)が上映されます(3月7日(土)~13日(金)、連日20:35~)。
8日(日)、上映後にほたるさん(雀役)と井川のトークあり。

名古屋シネマテーク公式サイト

また、名古屋のシアターカフェでは、3月21日(土)~27日(金)に、渡辺護監督作品と渡辺護自伝的ドキュメンタリーの上映があります。
詳しくはこちらをどうぞ。
シアターカフェ公式サイト

 

≪ピンク映画50周年記念作品『色道四十八手 たからぶね』≫

『色道四十八手 たからぶね』公式サイトはこちら↓

 

25年に渡りピンク映画専門誌の発刊、ピンク映画のアカデミー賞といわれる〈ピンク大賞〉を主宰する「PG」と、関西を拠点に月刊でフリーペーパーの発行やイベントを企画する「ぴんくりんく」――二つのピンク映画ファン有志のグループが、2012年に〈ピンク映画五十周年記念映画〉を企画し、2013年秋に渡辺護に監督を依頼。

快諾した渡辺は、「四十八手」「春画」という日本独特のエロティシズムを題材にした脚本で、新たなピンク映画のスタンダードを作ることを宣言し、準備に入った。
ところが、2013年11月に外出先で倒れ、検査の結果、がんであることが判明。自宅療養中の12月24日に亡くなる。
「井川が監督し、映画を完成させろ」という渡辺護の遺志を受け、脚本の井川耕一郎が監督し、2014年3月に『色道四十八手 たからぶね』は完成。

『色道四十八手 たからぶね』(2014年・71分・35mm・R18)
出演:愛田奈々、佐々木麻由子、ほたる、岡田智宏、なかみつせいじ、野村貴浩
企画・原案:渡辺護 監督・脚本:井川耕一郎 撮影・照明:清水正二
製作・配給:PGぴんくりんく

物語:一夫(岡田智宏)は千春(愛田奈々)と結婚し、幸せの絶頂にいた。ところが、千春には別の顔があった。彼女は数年前から叔父の健次(なかみつせいじ)と不倫していたのだ。「復讐しよう!」と一夫に訴える叔母の敏子(佐々木麻由子)。でも、一体どうやって……? 二組の夫婦をめぐる愛と欲望を軸に、シュールな味わいたっぷりに人間の本質をユニークに浮かびあがらせた作品。

 

≪ピンク映画50周年記念作品「色道四十八手 たからぶね」(企画・原案:渡辺護)公開記念  渡辺護自伝的ドキュメンタリー上映:シアターカフェ(名古屋)・3月21日(土)~27日(金)≫

3月21日(土)
15:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第1部 糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』
上映後、井川耕一郎、北岡稔美(ドキュメンタリー 製作・編集)によるレクチャー
18:15 『紅壺』+ドキュメンタリー『渡辺護が語る自作解説 新人女優を撮る』
上映後、井川耕一郎、北岡稔美(ドキュメンタリー 製作・編集)によるトーク

3月22日(日)
15:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第2部 つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史』
上映後、井川耕一郎、北岡稔美(ドキュメンタリー 製作・編集)によるレクチャー
18:30 『(秘)湯の街 夜のひとで』+ドキュメンタリー『渡辺護が語る自作解説 エロ事師を撮る』

3月23日(月)
16:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第1部 糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』
19:00 『紅壺』+ドキュメンタリー『新人女優を撮る』

3月24日(火) 定休日

3月25日(水)
16:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第2部 つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史』
19:00 『(秘)湯の街 夜のひとで』+ドキュメンタリー『エロ事師を撮る』

3月26日(木)
16:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第1部 糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』
19:00 『紅壺』+ドキュメンタリー『新人女優を撮る』

3月27日(金)
16:00 『渡辺護自伝的ドキュメンタリー第2部 つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史』
19:00 『㊙湯の街 夜のひとで』+ドキュメンタリー『エロ事師を撮る』

●料金:1作品 一般1300円/シニア1100円(全てドリンク無)
※スタンプラリー開催。全4プログラムご覧いただいた方は、最後の作品が100円引きになります
※入場者特典として「糸の切れた凧」ポストカードをプレゼント!!
会場:シアターカフェ http://www.theatercafe.jp/  名古屋市中区大須二丁目32-24 マエノビル2F TEL 052-228-7145

<作品紹介>

『紅壺』(1965年/扇映画)
78分/モノクロ/スコープ/デジタル上映
脚本:吉田貴彰(吉田義昭)、撮影:大森一郎(門口友也)
出演:真山ひとみ、原あけみ、黒木純一郎、千田啓介
少女は男たちを利用してトップモデルを目指す。渡辺護は主演の真山ひとみに一目惚れ。映画を撮る歓びに恋する歓びが加わった初々しい監督第二作。結局、失恋したものの、渡辺は東てる美、美保純、可愛かずみと魅力的な新人女優を撮ることにとり憑かれていく。

『(秘)湯の街 夜のひとで』(1970年/わたなべプロ)
70分/パートカラー/スコープ/デジタル上映
脚本:日野洸(大和屋竺)/撮影:池田清二
出演:大月麗子、吉田純、二階堂浩、港雄一
さすらいのエロ事師を描く系列の代表作。温泉街に流れ着いた久生と雀。監督の久生はブルーフィルムの傑作を撮ろうとするが……。愛する久生と離れ離れになった女優の雀がぼろぼろになって早朝の川原にたたずむラストには、悲哀を突き抜けた崇高さが感じられる。

渡辺護自伝的ドキュメンタリー第一部「糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護」(2011年/122分)

渡辺護自伝的ドキュメンタリー第二部「つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史」(2012年/138分)

渡辺護監督の思い出(原一男)

渡辺護監督…私にとっては、とても懐かしい名前だ。
ピンクの巨匠……私は、彼の助監督だった。もう、かれこれ20年も前になるだろうか。
今でも時々思い出す。現場で少し恥じらいながら「ここは、クロード・ルルーシュ調でいこうか! 音楽は、ダバダバダ、ダバダバダをのせようよ!」とカメラマンに声かけながら演出していた渡辺監督。
助監督についていたといってもわずか4~5本。他のピンクの監督にもついていたのだが、その人のあまりのお金のせこさにウンザリして、“貧すりゃ鈍す。鈍すりゃ貧す”と感じた私はピンク業界から足を洗った。
ピンクの現場は、まぎれもなく映画の学校だった。
「さようならCP」「極私的エロス・恋歌1974」を撮り、全く映画技術なんかど素人状態で作り、それから技術の勉強をしなければとピンク業界に縁あって潜り込み、3~4年間は働いたハズだ。
最初は撮影助手で入り、やがてカメラマンになり、だが、どうしても演出部になりたくて助監督へ転向した。そんないきさつがあって渡辺護監督と出会ったのだ。
話を戻すが、何も渡辺監督との縁を切ることはなかったのだ、と悔いた。もしも、あの時、渡辺監督の助監督という関係を続けていたら、今頃、私はピンクの監督としてデビューしていたかなあ?
ともあれ、私の劇映画の現場で絡みのシーンがあり、さて、どう演出するのか? どうカットを割るのか? とハタと困った。もっと渡辺監督から、絡みの撮り方を学んでおけば良かった! まさに、後悔先立たず。
ご冥福を祈ります。

「渡辺護 はじまりから、最後のおくりもの」 渡辺護監督デビュー作『あばずれ』、『(秘)湯の町 夜のひとで』、『色道四十八手 たからぶね』、渡辺護自伝的ドキュメンタリー第一部・第二部を上映!(神戸映画資料館・11月29日(土)~12月9日(火))

フィルムはもう残っていないと思われていた渡辺護の監督デビュー作『あばずれ』(65)の短縮版16mmプリントが今年2014年に発見され、神戸映画資料館で上映されます。

スケジュールは次のとおりです。

11月29日(土)~11月30日(日)
渡辺護自伝的ドキュメンタリー第一部・第二部
第一部『糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』(11年・122分)
第二部『つわものどもが遊びのあと 渡辺護が語るピンク映画史』(12年・138分)

『糸の切れた凧』:13:30~
『つわものどもが遊びのあと』:15:50~

12月5日(金)~7日(日)
渡辺護の監督デビュー作『あばずれ』上映!
『あばずれ』(65)
モノクロ/スコープ/16mm短縮版(60分)
製作:斉藤邦唯、監督:渡辺護、脚本:吉田貴彰(吉田義昭)、撮影:生田洋(竹野治夫)、照明:村井徹二(村瀬栄一)、編集:宮田二三夫、音楽:小松谷実、録音:杉崎喬
出演:飛鳥公子、左京未知子、黒木純一郎、千田啓介、天野良一

『あばずれ』について(井川耕一郎)
1965年、渡辺護は『あばずれ』を撮って監督デビューする。16才の立子(飛鳥公子)は、父・剛造を死に追いやり、全財産を奪った後妻・文枝(左京未知子)に復讐を誓って家を出る……。少女の復讐譚は、少年時代に見て感動した監督・衣笠貞之助、脚本・伊藤大輔『雪之丞変化』(35)に触発されたものだった。渡辺のデビュー作は自身の映画体験の原点に遡るものであったのだ。
その後、渡辺は『あばずれ』を二度リメイクしている。『少女縄化粧』(79)と『変態SEX 私とろける』(80)。年に12本以上撮っていた売れっ子監督時代に、なぜリメイクを考えたのだろうか。忙しさの中で何かを見失いそうになっている自分に危機を感じてのことだろうか。
『糸の切れた凧 渡辺護が語る渡辺護』(11)の撮影中に探りたかったのは、渡辺さんの中で『あばずれ』が持つ意味だった。渡辺さんは「下手くそな演出だから、見直したくない」と言う一方で、こうも言っていた。「一生懸命、一カットずつ真剣にこだわって撮ってる。逆にそれ、今やったらできないってことがあったりするんだよ」。渡辺さんの言葉は矛盾している。だが、矛盾しているということは、渡辺さんの中で『あばずれ』が遠い過去ではなく、常に生々しい現在であったということだ。2013年に渡辺さんは亡くなった。だが、2014年、『あばずれ』の16mmプリントが発見された。渡辺さんの現在が甦ったのだ。私はその奇跡を何としても見てみたい。

12月5日(金)
13:00 『色道四十八手 たからぶね』
14:30 『あばずれ』
15:50 『(秘)湯の町 夜のひとで』
17:20 『色道四十八手 たからぶね』

12月6日(土)
13:00 『色道四十八手 たからぶね』
14:30 『あばずれ』
15:40 トーク:井川耕一郎(『色道四十八手 たからぶね』、渡辺護自伝的ドキュメンタリー監督)、北岡稔美さん(渡辺護自伝的ドキュメンタリー製作・編集)
16:10 『(秘)湯の街 夜のひとで』
17:40 『色道四十八手 たからぶね』

12月7日(日)
13:00 『色道四十八手 たからぶね』
14:30 『あばずれ』
15:40 トーク:井川耕一郎監督、北岡稔美さん
16:10 『(秘)湯の街 夜のひとで』
17:40 『色道四十八手 たからぶね』

12月8日(月)
19:00 『色道四十八手 たからぶね』

12月9日(火)
19:00 『色道四十八手 たからぶね』

料金:一般1300円、学生・シニア1200円、会員1000円、会員学生・シニア900円
*当日2本目は200円引き *招待券のご利用不可

詳しくは神戸映画資料館HPをご覧ください。

ピンク映画50周年記念作品『色道四十八手 たからぶね』(企画・原案:渡辺護)+特集上映「渡辺護 追悼、そして「たからぶね」の船出」(10月4日からユーロスペースでレイトショー 連日21:10~)

10月4日からユーロスペースで、ピンク映画50周年記念作品『色道四十八手 たからぶね』(企画・原案:渡辺護、主演:愛田奈々、監督・脚本:井川耕一郎)がレイトショー公開されます。
また、同時期に「渡辺護 追悼 そして「たからぶね」の船出」というタイトルで渡辺護監督特集もあります。

≪ピンク映画50周年記念作品『色道四十八手 たからぶね』≫

『色道四十八手 たからぶね』公式サイトはこちら↓

 

25年に渡りピンク映画専門誌の発刊、ピンク映画のアカデミー賞といわれる〈ピンク大賞〉を主宰する「PG」と、関西を拠点に月刊でフリーペーパーの発行やイベントを企画する「ぴんくりんく」――二つのピンク映画ファン有志のグループが、2012年に〈ピンク映画五十周年記念映画〉を企画し、2013年秋に渡辺護に監督を依頼。

快諾した渡辺は、「四十八手」「春画」という日本独特のエロティシズムを題材にした脚本で、新たなピンク映画のスタンダードを作ることを宣言し、準備に入った。
ところが、2013年11月に外出先で倒れ、検査の結果、がんであることが判明。自宅療養中の12月24日に亡くなる。
「井川が監督し、映画を完成させろ」という渡辺護の遺志を受け、脚本の井川耕一郎が監督し、2014年3月に『色道四十八手 たからぶね』は完成。
10月4日(土)からユーロスペースでレイトショー公開されることになった。

『色道四十八手 たからぶね』(2014年・71分・35mm・R18)
出演:愛田奈々、佐々木麻由子、ほたる、岡田智宏、なかみつせいじ、野村貴浩
企画・原案:渡辺護 監督・脚本:井川耕一郎 撮影・照明:清水正二
製作・配給:PGぴんくりんく

物語:一夫(岡田智宏)は千春(愛田奈々)と結婚し、幸せの絶頂にいた。ところが、千春には別の顔があった。彼女は数年前から叔父の健次(なかみつせいじ)と不倫していたのだ。「復讐しよう!」と一夫に訴える叔母の敏子(佐々木麻由子)。でも、一体どうやって……? 二組の夫婦をめぐる愛と欲望を軸に、シュールな味わいたっぷりに人間の本質をユニークに浮かびあがらせた作品。

≪特集上映 渡辺護 追悼 そして「たからぶね」の船出≫

<高橋洋(映画監督・脚本家)コメント>
まるでサイレント時代の巨匠、伊藤大輔と競い合って撮っている人のように思えた。渡辺護の映画には、彼の原体験である活動大写真の興奮が息づいていたからだ。それは決して懐古的なものではない。常に“現在であり続ける表現”として、渡辺護はサイレントと向かい合っていた。渡辺護の映画がオリヴェイラ同様刺激的なのはそれ故なのだ。

<塩田明彦(映画監督)コメント1>
人間というのは“呼吸”する生き物であり、その“呼吸”のかたちも千差万別、実に複雑微妙なドラマが演じられているのだ、ということに渡辺護監督は気付いていたし、ときにその一瞬を捉えるために足の指先を撮り、瞼の震えを捉え、そこから漂う熱気と狂気を映画的な運動に仕上げた。誰かがそこに生きている、そのことを確かに世界の震えを通して私たちに届けてきた。

<塩田明彦(映画監督)コメント2>
(『害虫』(02)に浮浪者役で出演してもらったときの思い出)
「悪いな塩ちゃん、俺いま心臓が悪いから」。少し気弱そうに車から降りてきた渡辺護監督は、しかし私の袖を掴んで離さず、いきなりキュウゾウ相手に叫ぶ台詞をその場で張り上げた。塩田わかるか、人間てのはな、その声と呼吸ひとつで生き様ってのがみえちゃうんだ。映画『害虫』の中に映し出された渡辺監督はその表情も遠いロングの移動ショットの中で、しかしまさに生き様としか言いようのない見事な声で、そこに存在してくれたのでした。

<作品紹介>

『紅壺』(1965年/扇映画)
78分/モノクロ/スコープ/デジタル上映
脚本:吉田貴彰(吉田義昭)、撮影:大森一郎(門口友也)
出演:真山ひとみ、原あけみ、黒木純一郎、千田啓介
少女は男たちを利用してトップモデルを目指す。渡辺護は主演の真山ひとみに一目惚れ。映画を撮る歓びに恋する歓びが加わった初々しい監督第二作。結局、失恋したものの、渡辺は東てる美、美保純、可愛かずみと魅力的な新人女優を撮ることにとり憑かれていく。

『おんな地獄唄 尺八弁天』(1970年/わたなべプロ)
70分/パートカラー/スコープ/デジタル上映
脚本:日野洸(大和屋竺)/撮影:池田清二
出演:香取環、国分二郎、青山リマ、武藤周作
女渡世人・弁天の加代シリーズの第二作。背の刺青に衝き動かされるようにして加代とセイガクは出会い、運命的な恋に落ちる。「大和屋のホンを初めて読んだときには震えたね。おれへのラブレターですよ」。少年時代から好きだった時代劇への思いがあふれた傑作。

『(秘)湯の町 夜のひとで』(1970年/わたなべプロ)
70分/パートカラー/スコープ/デジタル上映
脚本:日野洸(大和屋竺)/撮影:池田清二
出演:大月麗子、吉田純、二階堂浩、港雄一
さすらいのエロ事師を描く系列の代表作。温泉街に流れ着いた久生と雀。監督の久生はブルーフィルムの傑作を撮ろうとするが……。愛する久生と離れ離れになった女優の雀がぼろぼろになって早朝の川原にたたずむラストには、悲哀を突き抜けた崇高さが感じられる。

『聖処女縛り』(1979年/新東宝)
61分/カラー/スコープ/デジタル上映
脚本:高橋伴明、撮影:鈴木史郎
出演:日野繭子、岡尚美、鶴岡八郎、杉佳代子
1970年代後半から量産された緊縛ものの代表作。恋人を射殺した特高の刑事に少女は復讐しようとする。『少女縄化粧』(79)と本作で主演の日野繭子の人気は決定的なものに。渡辺護は自分の愚かさに気づかない権力者の哀れなあり方を描きたかったと後に語っている。

『婦女暴行事件 不起訴』(1979年/国映)
61分/カラー/スコープ/35mm上映
脚本:小水一男/撮影:久我剛
出演:日野繭子、青野梨麻、港まゆみ、大杉蓮
ドキュメントタッチの系列の隠れた傑作。雨が降り続ける荒涼とした横須賀で、三人の若者は暇を持てあましレイプをくりかえす。事後の被害者女性の態度を丁寧に描き分ける演出に注目。女優一人一人に対して印象に残る見せ場をつくることを渡辺護は忘れていない。

『喪服の未亡人 ほしいの…』(2008年/国映=新東宝)
61分/カラー/ビスタ/35mm上映
脚本:井川耕一郎/撮影:清水正二
出演:淡島小鞠、岡田智宏、倖田李梨、結城リナ
遺品整理をしていたいずみは夫の不倫を疑う。「殺してやる! 死んでるけれど」。死者に復讐しようとする女の悲喜劇。渡辺はこの路線で新作『色道四十八手 たからぶね』を準備していたが、昨年亡くなった。骨壷を抱いて別れの言葉を述べる淡島小鞠が心にしみる。

<スケジュール>

ユーロスペースにて連日21:10より上映

10月4日(土)~10日(金):『色道四十八手 たからぶね』

10月11日(土):『おんな地獄唄 尺八弁天』+ドキュメンタリー『弁天の加代を撮る』
10月12日(日):『(秘)湯の町 夜のひとで』+ドキュメンタリー『エロ事師を撮る』
10月13日(月):『婦女暴行事件 不起訴』+ドキュメンタリー『事件ものを撮る』
10月14日(火):『聖処女縛り』+ドキュメンタリー『緊縛ものを撮る 三 権力者の肖像』
10月15日(水)『喪服の未亡人 ほしいの…』+ドキュメンタリー『すべて消えゆく ピンク映画1964-1968』
10月16日(木):『おんな地獄唄 尺八弁天』+ドキュメンタリー『弁天の加代を撮る』
10月17日(金):『紅壺』+ドキュメンタリー『新人女優を撮る』

10月18日(土)~10月24日(金):『色道四十八手 たからぶね』

10月25日(土):『婦女暴行事件 不起訴』+ドキュメンタリー『事件ものを撮る』
10月26日(日):『喪服の未亡人 ほしいの…』+ドキュメンタリー『すべて消えゆく ピンク映画1964-1968』
10月27日(月):『(秘)湯の町 夜のひとで』+ドキュメンタリー『エロ事師を撮る』
10月28日(火):『おんな地獄唄 尺八弁天』+ドキュメンタリー『弁天の加代を撮る』
10月29日(水):『聖処女縛り』+ドキュメンタリー『緊縛ものを撮る 三 権力者の肖像』
10月30日(木)『紅壺』+ドキュメンタリー『新人女優を撮る』
10月31日(金):『(秘)湯の町 夜のひとで 』+ドキュメンタリー『エロ事師を撮る』